日本ダービー回顧(ラップ分析)2017


レース総括
■スローからの→完全な上がり勝負
■切れ(&地脚の強さ)が問われた


日本ダービー結果


レイデオロ2.26.9 33.8 13-14-02-02
スワーヴリチャード2.27.0 33.5 07-07-07-05
アドミラブル2.27.2 33.3 15-17-13-12
マイスタイル2.27.2 34.1 01-01-01-01
アルアイン2.27.2 33.7 03-03-05-05

天候:晴 芝:良
上り4F:46.5 3F:33.8
前半1000m:63.2
13.0-11.2-12.9-12.8-13.3-12.5-12.1-12.6-12.7-11.5-10.9-11.4

日本ダービーラップタイム


レースラップ分析


ラップタイムを見ると、前半がかなりスローに流れて、向こう正面では一旦
ペースアップしたものの、コーナーでは再度落ち着く展開で、そこから大きく
加速する形の上がり勝負。

今回の場合、スローからの→決め手勝負、ルメールJを筆頭に各ジョッキーの
仕掛けのタイミング(&制御技術)ということに尽きて、正直なところあまり
書くことがない。(それらの詳細は↓で個別に)

なので、以下は馬場のことに関して。

(JRA全体として)今の馬場は、基本的にエアレーション作業などで緩く
作って→徐々に踏み固められていく…という傾向にあって、開催が進んでも
タイムが落ちない、もしくは速くなることすらある。

一方で、(京都&新潟もそうだが)この時期の東京は開催中芝がすくすくと
育って、(洋芝の長さは変わっていないものの)例えば青葉賞の野芝は約6~
8cmなのに対して、ダービーの野芝は約10~12cm。最早別の競馬場。

そして開催を通して考えると、緩い路盤&短い芝から→硬い路盤&長い芝に
変化していて、どの段階でもスピードに寄り過ぎずに、全体的にバランスが
取れているイメージ。

ダービーでも、時計自体は出る状態で、これ程に遅い流れになっても32秒台の
上がりを使った馬はいないし、(弱いだけ…という理由は置いておくとして)
単純に、この距離を周ってくるだけでも&もしかしたら速い上がりを使うこと
自体でも、一定の地力が問われていたのかも知れない。

少なくとも、切れるだけの馬がパワーの部分で振るい落とされている可能性は
高そうだし、展開は荒れても、結果は全く荒れていないことから言っても、
数年前までのような"軽い"高速馬場でないことは確実。

力通りに決まる…という点では当然この傾向は歓迎したいし、将来的に海外を
目指す場合でも、馬場適性という点でつながりが意識しやすくなるはず。
(陣営は○○を勝ったら挑戦…という考え方をすることが多い訳なので)

JRAは90年代に(路盤の)緩い馬場を試し、2000年代に(エクイターフの
導入なども含め)速い馬場を試して、その結果たどり着いたのが今の馬場の
作り方だとしたら、これはもっと称賛されてもいいことなのでは?
(もちろん狙ってやっているとしてだが…)
個人的にも、ダービーの今の馬場が本当に"ちょうどいい"と思える。

今週末の安田記念に関しても、イスラボニータのような軽いフットワークを
するタイプが勝つのか?それともエアスピネルやレッドファルクスのような
地脚の強いタイプが勝つのか?…という点で、とても興味深い。
そして後者の場合、香港馬の(ある意味)復活があるのか?も気にはなる。


各馬について


出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

レイデオロ
これまで示していたパフォーマンスから言うと、決め手という部分でそこまで
主張できる馬ではないので、やはり今回はルメールJの決断が全てとはなる。
内容的にも、押し上げたのはラップの最も緩い区間で、見た目ほどには脚は
使っていないし、番手に取り付いてからピタッと折り合って、ロスの少ない
コースを通っている点など、これはもう腕という他はない。
(もちろん陣営の作った下地があってこそだろうが)
3コーナーから映像を観ると、あたかも最初からそこにいたかのような競馬に
なっているし、番手から"いつも通りの"末脚を使った…くらいのイメージ。
もちろん、動いても末が全く鈍らない…というのは一定の持久力の証明には
なるので、当然この先の期待は十分できるだろうし、あとは適性面でその都度
上げ下げ…という扱いになりそう。(脚質転換出来れば本当はいいのだが)

スワーヴリチャード
好位~中団のインからじっくり…という競馬で、これ以上の選択があったと
したら、4コーナー~直線で外に出すのをもう少し待つかどうか…くらい。
どちらにしろほぼ完璧な騎乗で、これで負けたのなら相手を褒めるしかない。
ただし適性面で言うと、大きなフットワークをするタイプなので、ここまで
極端な加速を示す展開に対して忙しくなった…というのはありそうで、その
点では少し不運だった…とは言えそう。
この馬に関しては、個人的にワンアンドオンリー的なイメージで注目したの
だが、ダービーを勝てなかったワンアンドオンリーはこの先どうすればいい
のか?…これは大問題。先輩の経歴を参考にすれば海外だが…。

アドミラブル
向こう正面でこの馬も少しだけ押し上げつつも、結局は直線に賭けた内容。
勝ち馬のような押し上げ…という手も確かにあったのかも知れないが、それを
したとしても、押し上げた末に取り付きたいポジションは既に勝ち馬がキープ
している訳だから、相手を交わせていたかはやはり微妙。
むしろ3コーナー過ぎに一旦しっかり抑えて、斜めに(無駄な)脚を使わない
騎乗に切り替えたことは、正解だったように思える。
(前に取り付いていれば直線で煽りを喰らわなかった…というのはあるが)
秋に関しては、持久力&持続力という点では既に一流のものを示している訳
なので、菊花賞では普通に期待できるし、単純に枠だけという印象。
(そこは大問題だが、2回連続で大外…という確率もそうはないはず)

アルアイン
最内は武豊Jがさり気なくガードしていたので無理だったとしても、元々は
好位の中を追走していたのだが、2頭に捲られた末に、勝負所ではいつの間
にか外を回す競馬に…。
その結果、直線では内→外に持ち出したスワーヴリチャードの煽りをまともに
喰らった格好で、少し中途半端に見える騎乗にはなってしまった。
(まあこれは周りのジョッキーの面子を考えると仕方のないところ)
馬自身のこの先に関しては、菊花賞はさすがに難しそうなので、シンプルに
天皇賞秋→マイルCSが良さそう。
そして、何といってもこの馬はパワー系。海外に合う可能性が十分にある。
来年は是非とも(ちょうど優先出走権のアナウンスがされた)安田記念から
→ジャックルマロワ賞に行って欲しい。(願望)

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