桜花賞回顧(ラップ分析)2017

レース総括
■前半~道中がかなり厳しくなり→上がりは完全に右肩下がりの展開
■持久力&持続力(&コーナリングの効率)が問われた


桜花賞結果


レーヌミノル1.34.5 35.4 04-04
リスグラシュー1.34.6 35.3 09-08
ソウルスターリング1.34.6 35.4 06-05
カラクレナイ1.34.7 35.0 15-14
アエロリット1.34.7 35.0 14-14

天候:曇 芝:稍重
上り4F:48.0 3F:36.2
前半4F:46.5
12.7-10.9-11.1-11.8-11.8-11.5-11.9-12.8

桜花賞ラップタイム


レースラップ分析


ラップタイムを見ると、(馬場を考えると)前半相当に速く、道中も締まった
展開になり、勝負所で少しだけ加速しつつ→直線は完全に右肩下がりの形。

とにかく今回は(自分の中で)腑に落ちるまで時間が掛かったが、「ラップ
⇔各馬の位置取り&動き」をしっかりチェックしてやっと見えてきた。
そして結論から言うと、今回の場合、道中(3~4コーナー)で逃げ馬以外の
各馬が脚を使い過ぎた…ということに尽きる。

映像からは、カワキタエンカはコーナーで引きつけたような形になっているの
だが、実際のラップとしては11.8秒までしか落としておらず、後続はその速い
区間でしっかり詰めたことで、データ的に、(後ろから浮上した馬も含めて)
上がりでは全馬の脚が上がった形になっている。

つまりレースを通してのリズムとして、道中にピークがくるような、ほとんど
中山マイルのような脚の使い方になっていて、直線は完全に惰性のみの戦い
(この場合は体幹の強さ、負荷への耐性の戦い)だったと言える。

当然適性的には、持久力&持続力という方向のレースだった訳だが、「斜めに
全力を出した」という点で、むしろ小回り適性が問われたくらいの雰囲気で、
本来ここで強いフットワークのいい馬ほど苦戦した印象がある。

そのことが、フィリーズレビュー上位の2頭や、馬格のないリスグラシュー、
経歴の半分が1400mのディアドラなどの好走につながった可能性はありそう。

※そもそもの話、中山のハイペース戦を制しているライジングリーズンがもう
少し着を伸ばしていたら、より早くこの結論にたどり着けたはずだが、同馬は
荒れた内目を通ったため(伸びは目立っているが)浮上し切れず⇒カオスに。

したがって今回は、上位の地力は当然認められるのだが、この先、距離延長に
対してはもちろん、(もう少し"溜め"や"切れ"が必要な)マイルに対しても
つながるのかどうか微妙…というのが現時点での考え。

一方で、大敗したアドマイヤミヤビのようなスケール感のあるタイプの巻き
返しは(以前と全く同じ評価という訳にはいかないかも知れないが)十分に
あるはずで、当然そちら寄りのタイプながらも粘ったソウルスターリングの
評価は、3着でもむしろ上げておきたいくらいの感覚。

今後、各馬がどのタイミングで活躍するのか?に、特に注目していきたい。


各馬について


出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

レーヌミノル
予想の段階で「そろそろ潮時…」などと失礼な書き方をしたことを、彼女に
まずは謝りたいが、道中で極端に脚を使いつつ→直線でも体の強さを発揮する
形で押し通しての勝利。
当然、地力の高さという点ではパフォーマンス更新と言っていいだろうし、
この先の活躍も十分に期待できる。
ただし、ニュージーランドTがそうであるように、この手のパフォーマンスが
つながるのは基本的には距離短縮の方向だし、ラップが落ち込んでいく形で
強い…という点でも、結局、本質は短い所という印象が拭えた訳ではない。
むしろカテゴリーとしては、「(マイルG1まで制覇した)ロードカナロアや
ストレイトガールのようなスプリンター」ではダメだろうか…。
⇒そう考えると相当強い。

リスグラシュー
この馬に関しては、阪神JFで(自分で勝手に…だが)道中で極端に脚を使う
競馬を経験しているので、この展開での浮上は一応順当な結果。
(終いを伸び切れた)その時との違いは、今回の方が前半で少し脚を使って
いることだが、それを考えると、結果論的には、仮に後方4騎の中にこの馬が
いたら頭まであったかも…という部分は少しある。
どちらにしても、この馬の"息の長い末脚"は、オークスでは大きな武器。
好走は普通に期待していいはず。

ソウルスターリング
馬場が合わなかった…とする敗因。確かにそれもあるのかも知れない。
ただしそれは、(右回り⇔左回り説と同じで)最後の最後に考えたいこと。
上記のように、今回は元々厳しい展開に対して、馬群全体が前掛かりに攻め
過ぎた格好で、この馬も、道中で極端に脚を使いつつ→上がりは惰性でなだれ
込んだだけ…というパフォーマンスになっている。
これまで何だかんだ末を活かす競馬をして来て、今回が初めての粘り勝負。
直線で何度も手前を替えていた…というのも、ただ単に苦しかっただけなの
では?(乳酸との戦い)…と考えれられなくもない。
したがって、個人的な印象としては、皐月賞のサトノダイヤモンドの負けに
近いものを感じる部分があって、むしろ経験のない極端な展開でも良く崩れ
なかった…と、プラスに捉えたい感覚。
単純に、中山で負けた…と考えておけば、まあ仕方ないか…とも思えるし、
その意味では、東京で巻き返す確率は普通に高そう。

アエロリット
前半~道中が締まったフェアリーSで、好位から進めつつ→粘り込んでいる
馬だけに、今回、惜しむらくはやはり位置取り。
スタートで隣の馬に前を塞がれた部分はあるが、その時よりも2秒ほど遅く
入っている形なので、この馬の、レースを通して持続出来る…という長所を
活かせなかった印象がある。
もちろん、それでも浮上していること自体、地力の高さを証明しているし、
次戦巻き返す可能性は十分にありそう。
元々フットワークの良い馬なので、距離延長も問題ないはず。

この記事へのコメント

  • みず

    はじめまして。楽しませていただいてます。
    質問なのですがtwitterなどで
    「ソウルスターリングは
    もっとポジションを獲りに行って前受けしたほうが良かった。
    それがこの馬の良さ」みたいな意見を見たのですが
    ぜひ意見を伺いたいです。
    2017年04月12日 10:22
  • 山宗

    >みずさん

    その意見の真意が正確には分からないので、おそらく的確な回答にはならない
    と思いますが…。

    個人的にソウルスターリングは、前半から脚を使い、道中も(ある程度)高い
    水準で進めても、上がりをしっかりとまとめられる…という、総合力の高い
    タイプだと思っています。

    その意味で、今回の入り方だと前半が少し消極的だった…ということは言える
    のかも知れません。(馬場差を考えればそこまで遅い訳ではないですが)

    ただし回顧記事の中でも書いたように、この結果になったのは、各馬が道中で
    "極端に"脚を使い過ぎたため…というのが個人的な考えです。
    (中山のような脚の使い方だった…と)

    仮に高いポジションを取っていたとしても(→その分道中で相対的に少しでも
    溜められていたとしても)、これまで経験していたレースとは性質が全く違う
    展開の中で、同じように末を伸ばせていたか?は分かりません。

    なので、今回に限っては、どちらが正解だったのかは微妙…だと思います。
    2017年04月12日 20:07
  • azemin

    初コメントです。
    桜花賞は外回りコースで行われた過去のレースとは異なり、道悪とカワキタエンカの存在がレースを質を変えましたね。死語になった魔の桜花賞ペースが復活した感じです。
    阪神牝馬Sは例年通りの直線の持続力に長けた馬が上位に来ていたのですけどね。
    レーヌミノルは道悪と他馬の伸びあぐねに助けられた勝利でしたが、池添騎手の手腕は見事だったと思います。
    2017年04月13日 08:38
  • 山宗

    >azeminさん

    「魔の桜花賞ペース」
    確かに今回はその(懐かしい)表現がピッタリですね。

    それを作り出したカワキタエンカの、向こう正面~3コーナーでの、
    (超のつく)アウトから→インへの切り込みによって、コーナリングで
    スピードを全く落とさない…という動きも印象的でした。
    人気馬の決め手を消すつもりで、和田Jが狙ってやっていたのなら
    凄いですけど…。


    2017年04月13日 19:49

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